ターゲットを用いたペース判定について(PCI指数)

競馬予想ツールとして、超有名なTARGET frontierJV(ターゲット)
私もJRA-VANデータラボと契約をして、月2,090円(税込)というなかなかの金額を払って使用しております。
(ターゲット以外にもたくさんのソフトがありますが、私が使っているソフトはターゲットだけ。あとレーシングビュアーもセットで契約しているのでもう少し金額は行きます。。)

ターゲットは、元々レースを見た後、レース毎や馬毎のメモを入力するために契約したんですけど、過去に遡って大量のデータが蓄積されているので、当然メモだけ使うのはもったいない。
私が重回帰分析で指数を出しているのも、手動での補正はなく、ターゲットにあるデータのみで行っていますし、外部指数の取り込みが出来るので、当然自作指数をターゲットに取り込んで確認するようにしています。

ターゲットのレース結果の画面はこんな感じ

レースコメントとか印とか私がごちゃごちゃ書いているのはとりあえず無視してください。笑

左の方にごちゃごちゃ書いてある印やらなんやらは、自分でカスタマイズできるのがいいところ!
それと右の方にある「SF」は私の独自指数なのでデフォルトでは入っていません。

また機会があればターゲットの記事は書きますが、今回は私がレース回顧の記事で使用する「ペース判定」の話です。まずは、ターゲットの独自指数「PCI」ってなんぞや?という部分を解説していきます。

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ターゲットのPCIって??

PCIとは、

公式に書いてあるのですが、ペースチェンジ指数のことです。

上のリンクのオンラインヘルプからの引用ですが、

PCIとは、ペースチェンジ指数を意味し、その算出方法は、上がり3ハロンの位置を分岐点とし、その前後の走破タイムからそれぞれ速度を計算し、その比を表したものです。つまり、3ハロン前後で、どれだけ速度が変わったかを表しています。数値が約50で前後半が同一程度のペースになり、それより小さい値だと、後半の速度が低下したことを意味し、大きい場合は、速度が速くなったことを意味しています。

(赤太字は私が強調した部分)

上り3ハロンは生データをそのまま用いるのですが、その分岐点までの距離も、比が出せるように「前半も600m走ったと仮定」した平均タイムで計算します。

例を挙げると、

①1200mを前半600m35秒・上り3ハロンを35秒で上がってきた。

35/35×100-50=50

この場合、前後半全くのイーブンペースで回ってきたケースです。
前半タイム/後半タイムの比が1。100をかけて50を引くのは50を分岐点として前傾か後傾かを視覚的にわかりやすくするためだと思います。

②1200mを前半600m34秒・上り3ハロンを36秒で上がってきた。

34/36×100-50≒44.4

この場合はテンが速くて上りがかかっているので、走破タイムは同じですが前傾ラップということになります。PCIは44.4。分岐点の50よりも数字が小さく出ているので、テンが速かったんだな、と視覚的にわかります

1800mを、前半1200m72秒・上り3ハロンを33秒で上がってきた。

この場合、前半1200mをどう処理するか、ということですが、1200mを72秒で走っているなら、600mは単純計算で平均36秒で走っているので、分岐点まで36秒で走った、と仮定してしまいます。
(これをターゲットでは、Ave-3Fと呼んでいます。多分アベレージの3ハロンタイムという意味かと)

36/33×100-50≒59.1

この場合、PCIは59.1。分岐点の50より数字が大きいので、スローのヨーイドンになったということが視覚的にわかります

PCIについては以上の通りです。
レースラップを見れば、レースのPCIは自分で簡単に計算することが可能です。
但し、馬1頭1頭のPCIは自分では、よほど時間をかけない限り確認しようがないので、これはターゲットを使用しないと分かりませんね。

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PCIとコースごとのPCIの比較

PCIは、前傾後傾ラップを比較するのに大変優秀な指標だと思いますが、単純に数値が50より大きいか小さいかだけを見ても意味がありません。
距離やコースによって、ペースの流れ方が全然違うので、私の場合は、条件設定ごとに過去1年の平均のデータを基準として用意してあります。

先ほど見て頂いたターゲットのレース結果画面は、2020年エルムステークスのものでしたが、そこから次のようなメモも呼び出せます。

真ん中に出てきた画面が、コースのレイアウトと解説。
余白にあれこれ書いているのは、私が自分でメモ書きしたものです。
これを、全競馬場の全距離毎にメモを入れてあって、1年ごとに見直しています。
ちなみに、ラップタイムは、データクレンジングなしの全く過去1年の平均です。
RPCI」はレースラップのPCI指数、「PCI3」は上位3頭のPCIの平均です。
(他の指標はそこまで重要でないので割愛します。興味がある方はターゲットのオンラインヘルプを確認してください)

とりあえず、札幌ダート1700のコースは、平均のレースPCI47.68ということがわかります。

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PCIと指数の突き合わせ

札幌ダート1700のレースPCIは47.68である、と先ほど書きました。
2020中京記念のレース回顧の記事でも少し触れたのですが、レースラップとは「1ハロンごとに先頭を走っている馬の通過タイムを計測」しているわけですから、「もし最初から最後まで逃げて勝った馬がいれば、そのラップはそのままレースラップ」ということになります。

ここで、エルムステークスのレース結果画面をもう一度見ていただきたいのですが、

右下を見てもらうとレースPCIは51.3となっています。
札幌ダート1700の平均レースPCIは47.68ですから、それよりは数字が大きいので、スローペースと見ることが出来ますが、私の場合は自作の指数と突き合わせを行います。

このレース、逃げたリアンヴェリテが指数69。自作指数の基準で行くと、3歳以上GⅢダートの勝ち馬の平均指数は72。
リアンヴェリテが逃げ切り勝ちで指数72が出ていれば何の問題もないんですが、垂れちゃってる上に指数が低いんですね。そして勝ち馬のタイムフライヤーは指数75。この馬は差して勝ったので、必要以上に上りをまとめて強い勝ち方をしている、ということになります。

要は、リアンヴェリテの刻んだラップは水準に満たないので参考にしづらい
タイムフライヤーは強くて終いが強烈だったので、レースラップの上りが必要以上に速くなっている

なので、レースラップのPCIで判断すると若干ペース判断が狂ってしまうんですね。
(私が常々、大逃げした馬が垂れると指数が狂う、といっている理由はここにあります)

では私の場合どうするか。
この場合、リアンヴェリテはいなかったものとして考えます。
番手にちょうど良いもの差し馬がいるんですこのレース。
3着のアナザートゥルースと4着のハイランドピークですね。

それぞれ、指数が73と72で、勝ち馬指数の平均に近い。(ハイランドピークが72で一緒ですね)
この2頭が、リアンヴェリテを無視すると、逃げて勝って水準指数が出ることと相当のパフォーマンスを見せているわけです。
アナザートゥルースのPCIが50.6
ハイランドピークのPCIが50.4
この辺のPCI指数が、このレースのペースを判定するのに適当な所かな、と判断しているわけです。

レースPCIの51.3よりは、微差ですが数字が小さくなりました。それでもこのレースはスローペースだと思いますし、それでいて差し切ったタイムフライヤーや、展開不向きで突っ込んできたウェスタールンドが強い、と言っているのはその辺なんですね。

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隊列の考え方について

ペース判定の件は今まで書いてきた通りなので、レース回顧を読んでいただく際の参考にしていただければ有難いです。

最後に、記事の内容と少しずれますが、レース回顧で良く触れる「隊列の長さ」について簡単に触れておきます。

私は馬群マスターではないので。笑
細かく定義しているわけではないのですが、感覚的に道中~4角くらいまでを見て
・一団
・平均
・縦長
の3つに大雑把に分けています。

ペースと併せて考えると、
・スローの一団なら切れ勝負で後ろが有利(スーパースローはまた別)
・スローの縦長なら前有利
・ハイペースの一団なら消耗戦で前残り
・ハイペースの縦長なら差し追い込み決着

こんな理解でレース回顧を行っています。よく回顧の記事で馬群の話を出すので、一応ここで触れておきます。

ということで、ターゲットのPCI指数を中心に、主にペース判断の基本的な部分を触れてきました。
ロングスパート戦だったらどう判断するんだ、とか色々ご意見はあるでしょうが、重賞は個別のレース回顧記事でそれぞれ説明していきますのでそちらを参照してください。

やっぱり競馬を長くやるならターゲットは導入したほうが、より面白みが増すかなぁとは思うんですけどね。興味がある方は検討してみたらいかがでしょうか。

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